サーシャが8月10日、13才の誕生日を迎えた。
 毎朝毎晩、 リリーとアロハと一緒に散歩を続けている。散歩の支度を始めると、三頭は伸びをしながらそれぞれの寝床から起きて、玄関に集まってくる。
 コース半分過ぎからサーシャは最初にハアハアし出す。それでも、気になる場所があれば丹念に嗅ぎ込んだり、走る猫を見つけては力強く追おうとしたり、野生の本能は衰えを感じさせない。至ってよく食べ、排便も良好である。
 家では、排尿回数が、日中、夜間、それぞれ2回までに増え、オシッコシーツの取り換えが忙しくなってきた。時々、ゲホッという咳をする。目も両方、水晶体が白っぽくなってきた。
 ほとんど一日、フカフカの敷物の上で手足を伸ばして寝ていることが多い。あまり静かだと心配になり、名前を呼んで、顔を近づけてみる。そんな時、ゆっくり目を開け、うつろな眼差しで振り向いてくれるとホッとする。
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 蒸し暑い日が続いている。
 犬たちの散歩は、朝早く、夜は鋪道の火照りがなくなってからにしているが、帰ると彼らはコンクリートの床にべったり伸びて動かない。
 アロハが一番冷えた場所をとると、サーシャとリリーは恨めしそうに、床いっぱいにへばりついたその大きな体をチラチラ見ている。
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 緑が繁茂するこの季節、犬たちの散歩で気になるのが、彼らが草をはもうとすることだ。
 「犬が草を食べるのは、胃の調子が悪いからだ」と、幼い頃、祖母が言っていたのを思い出す。
 特に食欲がないとか、吐くとかはないし、至って快便でもあるのに、彼らは3頭そろって草を食べようとする。
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 よく見ると、彼らが好んで口にするのは、決まって同じ種類の植物だ。ヒトの膝から腰までの背丈で、茎が黒っぽく、葉が細長い、どこでも見かける雑草だ。ヨモギに似ているが、葉の形が違い、複雑な切れ込みがない。
 そのすらりとした薄い若葉を摘んで噛んでみた。ほろ苦い香りがツーンと鼻にくる。口の中が爽やかになり、不味くはなかった。
 おそらく犬たちにはこの清涼感がいいのだろう。
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 5月8日、リリーの娘ライラ、アロハの妹が「椎間板脊椎炎」のため、5才で他界した。その夜、オーナーさんから連絡が入った。
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 元気にルアーコーシングで走っていた彼女だが、最後のヒートを終えた頃から腰部を痛がり、次第に下半身の麻痺に至ったらしい。3週間の入院の末、オーナーさんに見守られて息を引き取ったようだ。
 痛みを和らげるため、鎮痛剤が投与され、それが腎機能を衰えさせ、ひいては心不全を来たした。最後は心マッサージをされながら逝ってしまったという。
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 調べてみると、「椎間板脊椎炎」は、背骨と背骨の間にあるクッションの働きをする椎間板に感染症が発生し、周囲に炎症が広がっていく疾患だ。発生機序まだは明らかにされておらず、ヒート後や歯肉炎などからの菌の感染が考えられ、犬の場合、雌は雄の2倍の発症率とされている。
 治療は抗菌剤や消炎鎮痛剤を主とした薬物療法で、これが脂肪組織の少ないサルーキにとっては命取りにもなりうる。
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 ライラは6頭生まれたうちの6番目に私が取り上げた唯一のシルバーグリズルだ。先の5頭はレッド系が続いて出てきたため、ライラが生まれ落ちる時の白と黒のコントラストがとても鮮やかだったことを今でも覚えている。
 しなやかな身のこなしで、落ち着いた性格のサルーキだった。
 生後118日目にグリズルを探していたオーナーさんに気に入られ、引き取られていった。
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 専ら、13才に近いサーシャを、逝くときには安らかにと願っていた最中、5才のライラの知らせは意外で、事の成り行きを理解するのに精一杯だった。それが、一晩おいて時間が経つと、ライラの面影が昨日のように蘇ってくる。
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 「ライラのオーナーさん、最後まで本当にありがとうございました。いい出会いだったことを心から感謝してます」



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 黄昏時に散歩へ出た。
 サーシャとリリーのヒートもなく、アロハはオトボケを取り戻して落ち着き、いっときの平和に浸っている。
 また来るヒートの対応を模索しながら。
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 ところがそれから数日後、22日の午後からサーシャが鳴き出す。帰宅したらクーンと寂しそうな声を出した。ハアハア喘ぎもせず、どこか痛い仕草もなかったので様子を見ていた。
 夜の食事を持っていくと、いつもはハウスから出て足踏みしながら待っているのに、出てこない。口元に差し出すが、鼻先で突き返したり敷物をかぶせようとする。結局、夕食は一口も食べなかった。
 この日からサーシャの夜泣きが始まった。 
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 夜泣きとともに、敷物をごちゃごちゃにし、ハウスに出たり入ったりを繰り返す。声が遠吠えのように長く尾を引き、それが甲高い時は夜の静けさを突き破るようだ。
 そばに寄って撫でてやると、鼻を鳴らしながら私の手や腕をしきりに舐め回す。今までにない感覚にとらわれているのかもしれない。
 今年の8月で13歳になろうとしている彼女は、とうとう加齢変化が心まで至ってしまったのだろうか。
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 いつもは、自分の領分を侵されると、とっさに攻撃に出るリリーだが、今回は、サーシャが大声をあげても、自分のハウスに入っても、遠くでそのままにさせている。リリーも同じ仲間として、よりはっきりと異変を感じているのだろうか。
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 26日の朝からサーシャはようやく食べるようになった。それまで、彼女の前に食器を持っていき、鼻先で拒否されながらも待っていると、時折フードをつまむように口にしていた。
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 それでもサーシャは朝と夕の散歩には普段通りに出たがり、少量ながらも通常の排便をする。歩みは遅いが、草むらの匂いを嗅いだり、猫を見ると追いかけようとしたり、不意に元気を見せることがある。
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 サーシャの落ち着かない状態は、5月2日から鎮まり、食欲が戻り、夜泣きもせずにいつもの場所で寝るようになった。ただ、排尿回数は以前より多く、1日2回はトイレシーツの上にしている。
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 今回のサーシャの異常行動は何だったんだろうか。
 もともと、年に一回は数日食事を取らない時期があった。そんな時はやたらとグーグー腹鳴を発する。
 生後11ヶ月でブリーダーさんから譲り受けたときは、その点の注意もあった。「年に1回くらい下痢するけど」
 確かに当初は下痢があったが、年を重ねるとともに下痢なしの腹鳴拒食に変化して行った。
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 果たして、夜泣きの原因が腹部の不調が原因だったのか、加齢変化による精神症状だったのか、これから注意深く見守っていきたい。
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