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おかえり、アロハ 2016/07/08(金) サーシャ11才、リリ9才、アロハ5才

 リリーの息子、アロハが帰ってきた。彼は今までハンドラーさん宅でホームステイさせてもらっていた。こちら側の受け入れ準備に思いのほか時間がかかってしまい、アロハはもう5才になる。
 ようやく7月8日金曜日の夜、ハンドラーさんが青森のショーに向かう途中、仙台近郊のパーキングエリアで合流し、アロハを引き取る段取りとなった。
 仕事を終え、約束の場所に着いたのは21時少し前だった。大きめのワンボックスカーが目に入り、隣に車を停めた。郊外の空気は、梅雨の最中にしては涼しく心地よい。
 ワンボックスカーのドアは開け放たれており、中にはバリケンの並びが暗がりに見えた。犬の声ひとつせず、時折高速道を走る車の音が響く。辺りを見回していると、白いサルーキとハンドラーさんがワンボックスの後ろ側から歩いてきた。初対面のそのサルーキは、現在活躍中のインターナショナルチャンピオン。明日から青森、北海道へと渡り、ショーで走るそうだ。リリーと同じ系統で、ストップの浅い細面の頭部はアロハともよく似ている。
 そしてアロハが連れられてきた。名前を呼ぶと、飛びついて私の両肩に前脚をかけようとする。一昨年の8月31日、寒河江でのショー以来の再会になる。雌だけに囲まれている私には、久々のアロハは顔も手足も肩もごつく、でかく感じた。リリーのふた周り、サーシャのひと周りはある。これからずっと一緒に暮らせると思うと、心底安堵感を覚えた。
 アロハを家に迎えるにあたっては、家族に手伝ってもらった。近くの公園までサーシャとリリーを連れ出し、まずそこで3頭を会わせた。2頭がいる家に突然アロハを連れ込むと、リーダーとなっているリリーは、自分の縄張りが侵されたと思って攻撃に出ると考えられたからだ。
 公園で、アロハは無邪気に尾を振りながら2頭に近づいて行った。リリーは耳を後ろにそらし、尾を高く上げている。互いに匂いを嗅ぎあい、肛門部は特に念入りだ。サーシャも同じ様にするが、困ったようにそっぽを向き、間も無く細い尾を下ろしながら自ら遠のいた。こうしてひととおり3頭を慣れさせてから、皆スムーズに家に入ることができた。
 アロハは家の中の至るところを嗅ぎ回り、時折思い出したようにクンクン鳴く。撫ででやるとその時だけは静かになる。私の行く先々に付いて来ようとし、扉を閉めたり、人の姿が見えなくなると、さらに悲しそうな遠吠えに似た声を出す。
 その夜私は、犬たちのいる部屋に布団を敷いて寝ることにした。少しは安心できたのか、アロハは私の枕元の毛布の上で丸くなった。私も横になって手を伸ばし彼の胸から腹へと軽く叩くと、気持ちが良かったのか、いきなり仰向けになり後脚を目一杯伸ばして背伸びをした。
 明け方、何か圧迫される気がして目覚めた。よく見るとアロハが私の布団に寝ている。彼の背中に押されて私の体半分は斜めに寝床からはみ出ていた。
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 アロハが戻った夜、手元の携帯で寝床から撮った一枚。